2023.03.25 店頭こぼれ話

未来を予約する

卒業・入学・退職

出会いと別れの入り混じる

季節となってきました

本当は

「もう、春ですねぇ」と書き出したかったのですが

お店のある前橋は「真冬」並みの気温です

寒いのも暑いのも苦手な私にとっては

春が待ち遠しいです

と、前置きはこのくらいにして

春は入学・入園の季節なので

お子様用のお箸をお求めの方が多いです

保育園や幼稚園・小学校では

自分用のお箸を持参するところも多いので

インターネットからのご注文でも

店頭のご注文でも

ちゃんと自分のお子様のものと分かるように

「彫刻名入れ」をされる方がほとんどです

そんな中、先日、こんな注文がありました

おじいちゃん、おばあちゃんから

生まれたばかりのお孫さんへ

「名入れ」箸のご注文だったのですが

サイズが、13cm、16cm、18cm、21.5cm、23.5cmの

5膳のご注文で

名入れの内容が

13cm、16cmはひらがなで「しょうた」

18cm、21.5cmは漢字で「翔太」

23.5cmはローマ字で「Syota」

で入れて欲しいということだったので

お話を伺うと

16cmを使う保育園や幼稚園に入るころには

自分の名前が分かると思うので

「ひらがなで」

18cmを使うころはもう、小学校入学だから

自分の名前も「漢字」で分かるだろうから

「漢字で」

そして中学生や高校生になったら

英語も習うのでちょっとおしゃれに

「ローマ字で」

とのことでした

私は満面の笑みを浮かべながらお話される

お客様を見て、ほのぼのとした気持ちになりました

お箸を通して、お孫さんの成長を

いろいろなイメージをされていて

とても幸せそうにお話をされている

お客様は、

ただ単に食器(食べるための道具)としてのお箸を

買われたのではなく、

お孫様の成長をお箸に託して願い

これから見届けていく

幸せな未来を「予約」したような・・

そんなお気持ちだったのではないかと思います

名入れが終わり、お箸をとりにこられた際に

名入れのお名前を一文字ずつ

なぞるように確認されていたその瞳には

お孫様への無限の愛と希望が溢れていました

いかにもすぐ目の前にお孫様がいらっしゃって

あたまをやさしくなでている様な

そんな錯覚をするほどでした

そんなお客様の姿を見ていて

私も癒されて、暖かな気持ちになりました