たったひとつのたからもの
当店はお箸専門店なので
お箸がいっぱいあります
木の種類で約30種類
お箸全体では450種類くらい
取り揃えています
はじめて来られたお客様は
数に圧倒される方が多いのですが
商品ごとにつけてある
お箸の説明書を
真剣に読んで
少しずつ、
お店の作戦に、、ではなく(^_^;)
お箸の世界に魅かれ始めている方も
いらっしゃいます
そんなある日の光景
お客様が一時間くらいずっと
いろいろなお箸を見ていました
ふとある場所で止まり、じっと
お箸の説明を読んで
時々、帯をはずしてお箸を手に取り
重さや感触を確かめていらっしゃいます
私が遠めにその売り場を見てみると
(@_@;)
な、なんと当店の中でも
1.2を争う高級箸の
スネークウッド(蛇紋木
)と
青黒檀
ではありませんか
だいたいのお客様は
その売り場に興味を示されますが
価格を見て、そぉっと
他のコーナーに移っていかれます
私が客でもお財布とにらめっこした時点で
きっとそうします(>_<)
ところが、そのお客様は
尚も、じっと見ておられて
やがて、そのお箸
をレジまで持ってきて
「すみません、このお箸下さい
ただ、すぐにお金が用意できないので
内金を入れていくので
取っておいていただけますか?」と
おっしゃいました
私は一つ返事で
「はい、わかりました(^_^)」
と答えました
そのお客様のお箸を見ている目が
本当に「愛おしいものを見つめる」ような
やさしさと真剣さが表れていたからです
またお客様は
「どれくらいの期間とっておいていただけますか?」
とも聞かれてこられました
私は、内心、買っていただけるのなら
特に期間は関係なくと思っていたのですが
一応、「一ヶ月くらいは大丈夫ですよ」
と答えました
お名前とご連絡先をお聞きして
すぐにお帰りになるのかと思っていたら
今度はご自分用のお箸を
6膳くらいレジにお持ちになりました
それらの合計金額だけでも
結構な額でした
それから約1ヶ月が経ったころ
再び、お客様はご来店になりました
また内金を入れていかれました
ただまだ、ご購入金額すべてでは
ないのでまた「お取り置き」になりました
聞くところによると
お求めのご予定のお箸は
「誕生日プレゼント」のようでした
私は、このお箸を受け取られる方は
幸せな人だなと強く思います
自分だったら誰かに何かを
プレゼントするときに
少しずつ「積み立てて」まで
その商品をプレゼントするかな。。と
きっとそのとき持っているお金の範囲内で
最初に思った商品と違ったとしても
「代替品」を探してしまうでしょう
でも本当のプレゼントは、、、
自分が決めた商品を
値段の高低にかかわらず
「相手にプレゼントしたい」と
思う気持ちなんだろうなと。。
そしてそうやって選ばれ、
贈られた商品はきっと
受け取られた方にとっても
送る側にとっても
「たったひとつのたからもの」なんだなと
このお客様が商品を購入する時の
笑顔が今から楽しみです