シルバーウイークの食いしん坊な女たち
今回はササキさんの新シリーズ
登場人物も増えてなんだかにぎやかです(^_^)
~ある金曜日の和食料理店で~
今日はおなじみ箸派のおしん子の
妹の「かずの子」の娘「たら子ちゃん」4才が
幼稚園の運動会でなにやら1等賞をとったらしく、
それを逃さず口実に
タ子おばあちゃんののおごりで
会席を食べることになった。
フォーク派のタバス子と
その妹のバジリ子も潜りこむことに・・・
おしん子:やっぱりいいわねぇ、
のれんをくぐると囲炉裏があってー
青いタタミの上で、あたし熱燗もらおっと。
タバス子:あたしはビールね。
かずの子:あたし運転手だからお茶で、
おばあちゃんもね。たら子はオレンジジュースにしてー。
バジリ子:わたしはとりあえず赤ワインがいいかな。
おしん子:ほぅーさすがタバス子の妹ね。
これから何を食べるつもりかしら?
まぁ好きに飲んでちょうだい!
たら子ちゃんおめでとうカンパーイ!
パチパチパチ(たてまえ以上)
タバス子:あっ来ました「お通し」
おしん子:これ「先付」でしょ?
居酒屋じゃないんだからもう。
4才のたら子ちゃんもしっかりバッテンで
マイ箸を持ってお刺身を食べていた。
その手に合った16cmの箸には
「たらこ」と名前が入っていた。イカシテルゥー。
店で出る割り箸はさすがにこどもには長すぎるかも・・・
タ子おばあちゃん:たら子ちゃん、
お箸はね、まず右手で上から持ち上げてー
左手を下からそえてーそれから持つのよ。
そうそう。かずの子ー、家でちゃんと教えてるの!
おしん子:教えてるわけないでしょ。
親自体がちゃんと持ててないし。
見てみなよ、けっこうみんな正しく持ててないでしょ。
自己流だったりで・・・
タ子おばあちゃんの塩焼きのさかなのお皿には
頭としっぽがつながったきれいな一本の骨しかなかった。
一方、バジリ子のさかなはぐちゃぐちゃ。
チョット見苦しい状態だ。本人はというと、
さほど気にもしてない様子。
タ子おばあちゃんは半ばあきれつつ
箸休め でお茶を飲んでいるとー
タバス子:「箸休め」って箸置きでしたっけ?
箸も少し置いてあげて休めるんじゃ・・・
またはアタシが食べるのを休む・・・?
おしん子:バカねぇ、小鉢のお料理のことよ。
少しの和え物や煮物とか・・・。
和食ならではのいい言葉だわね。
かずの子:そうね刺身や酢の物を「向付」って呼んだり、
ご飯と最後に出るお椀の汁物は「箸洗い」なんていうそうよ。
バジリ子:へぇ~なんだか趣きがあって
日本っぽくっていいね。カシスオレンジないかなぁ。
「みんなで食べるとおいしいね!」
「何はなくても健康第一だからねぇ~ホッホッホゥ」
こうして、タ子おばあちゃんは
敬老の日を前にさりげなくみんなをもてなし
朗らかにふるまうのだった。
たら子:あたし、ばあばとじいじにお箸買ってあげるの!。
らっきょうじいさんは愛犬ホッピーと家で留守番だった。
おばあちゃん万歳! おじいちゃん万歳!