小さな強敵
当店の商品の一つに
手作り箸
があります
インターネットでご注文
いただくケースが多いのですが
勿論、店頭でも受け付けておりまして
あまり他に同様のサービスをしている
お箸やさんが多くないからか
結構、遠くからお越しいただく
お客様も多いです(^_^)
多いのは結婚されるカップルの方が
ご両親へのプレゼントとして
「今まで育ててくれたことへの
感謝の気持ちを込めて」
作られるケースと
お子様(主に小学生)の
夏休みの工作で
親御さんと一緒に
来店されるケースです
そんなとある夏の日
東京からお子様と
親御さん4名のご家族が
「手作り箸を作るためだけ」に
ご来店いただきました
親御さん:今日は一日よろしくお願いします
私:こちらこそ、遠くからありがとうございます。
ゆっくり作っていってください(^_^)
一通りの説明が終わり
製作に取り掛かり
切り出しナイフなど普段
使い慣れない道具に
最初は苦戦しているようでしたが
徐々に上手に使えるようになっていき
お昼休みを入れて
世界でたった一つの
「オリジナル箸」が完成しました
お子様はとても満足そうです。
出来上がったお箸も
初めてとは思えないほど
良く出来ていました
お母様はちょっとお疲れ気味でした(^_^;)
私:それではこちらでお預かりしまして
漆を塗って仕上げ、ご自宅に
発送させていただきます(^_^)
ありがとうございます。。と
いいかけた時でした
お母様:あのぉ、、
いくつか質問があるのですが・・・・
私: (@_@;)、は、はい
聞くところによると
あらかじめ用意してきた質問の
答えを聞き、それを
工作と研究ということで
学校で発表するそうです
お子様:「一年間にお箸はどれくらい使われるんですか?」
私:約250億膳です。
ご家族:(@_@;)え、そんなに。。
お子様:なんでマイ箸を持つといいんですか?
私:使われるお箸のうち、ほとんどは割箸で
本当は割箸は家を建てるときに使った木の
余りをムダにしないようにお箸として利用して
いたのですが
一部、中国からの輸入された割箸は
お箸を作るためだけに森ごと全部
伐採してしまっているので
それが環境破壊につながっているんですよ。
それなので使い捨ての割箸ではなくて
自分専用のお箸を外食時にもっていくことで
少し、環境を守るお手伝いが出来るというわけです
(お子様は必死にメモをしています。)
いい加減なことは言えません
冷静を装っていますが
実はとても緊張して冷や汗が・・(^_^;)
少し得意げに話していた私でしたが
それもこの辺まででした。
お子様:どんな木がお箸に向いてるんですか?
私:主には建築資材で使われた残りを使うというのが
基本なので、ヒノキやスギなどですが
硬くて折れにくい木が向いています
鉄木や黒檀・紫檀・鉄刀木などです
(このへんでもだんだん、答えるのがきつく・・(^_^;))
お子様:木のどのへんを使って
お箸にしているんですか?
私:(@_@;)、、、そ、そうですね
同じ木でもやわらかい部分と
硬い部分があり、
模様や丈夫さも違うので・・・と
まごまごしていたら
横からササキさんが助け舟を
出してくれました
ササキさん:それぞれの木の中で
一番お箸に向いているところを
選びながら作っています(^_^)
私:そ、そういうことです(^_^;)
お子様:ありがとうございました(^_^)
専門店のスタッフとしての試金石?
ともいうべき質疑応答を終え
ほっとしていると
お母様:「記念に写真を撮っていただいていいですか?」
私:「はい、大丈夫ですよ」
ハイチーズとして写真に納まった私の笑顔は
きっとぎこちなかったに違いありません(>_<)
春の風のようにさわやかな
それでいて今までのお客様の中でも
一番手ごわい「小さな強敵」でした(^_^)
この日、お店が終わって家に帰ってから
お箸と木の勉強をこっそりまた始めました(^_^;)