2009.09.10 店頭こぼれ話

小さな強敵

当店の商品の一つに

手作り箸
があります

 

インターネットでご注文

いただくケースが多いのですが

 

勿論、店頭でも受け付けておりまして

あまり他に同様のサービスをしている

お箸やさんが多くないからか

 

結構、遠くからお越しいただく

お客様も多いです(^_^)

 

多いのは結婚されるカップルの方が

ご両親へのプレゼントとして

「今まで育ててくれたことへの

感謝の気持ちを込めて」

作られるケースと

 

お子様(主に小学生)の

夏休みの工作

親御さんと一緒に

来店されるケースです

 

そんなとある夏の日

東京からお子様と

親御さん4名のご家族が

 

「手作り箸を作るためだけ」に

ご来店いただきました

 

親御さん:今日は一日よろしくお願いします

 

私:こちらこそ、遠くからありがとうございます。

ゆっくり作っていってください(^_^)

 

一通りの説明が終わり

製作に取り掛かり

 

切り出しナイフなど普段

使い慣れない道具に

最初は苦戦しているようでしたが

 

徐々に上手に使えるようになっていき

お昼休みを入れて

 

世界でたった一つの

「オリジナル箸」が完成しました

 

お子様はとても満足そうです。

出来上がったお箸も

初めてとは思えないほど

良く出来ていました

 

お母様はちょっとお疲れ気味でした(^_^;)

 

私:それではこちらでお預かりしまして

漆を塗って仕上げ、ご自宅に

発送させていただきます(^_^)

 

ありがとうございます。。と

いいかけた時でした

 

お母様:あのぉ、、

いくつか質問があるのですが・・・・

 

私: (@_@;)、は、はい

 

聞くところによると

あらかじめ用意してきた質問の

答えを聞き、それを

工作と研究ということで

学校で発表するそうです

 

お子様:「一年間にお箸はどれくらい使われるんですか?」

 

私:約250億膳です。

 

ご家族:(@_@;)え、そんなに。。

 

お子様:なんでマイ箸を持つといいんですか?

 

私:使われるお箸のうち、ほとんどは割箸で

本当は割箸は家を建てるときに使った木の

余りをムダにしないようにお箸として利用して

いたのですが

 

一部、中国からの輸入された割箸は

お箸を作るためだけに森ごと全部

伐採してしまっているので

 

それが環境破壊につながっているんですよ。

 

それなので使い捨ての割箸ではなくて

自分専用のお箸を外食時にもっていくことで

 

少し、環境を守るお手伝いが出来るというわけです

 

(お子様は必死にメモをしています。)

 

いい加減なことは言えません

冷静を装っていますが

実はとても緊張して冷や汗が・・(^_^;)

 

少し得意げに話していた私でしたが

それもこの辺まででした。

 

お子様:どんな木がお箸に向いてるんですか?

 

私:主には建築資材で使われた残りを使うというのが

基本なので、ヒノキやスギなどですが

 

硬くて折れにくい木が向いています

鉄木や黒檀・紫檀・鉄刀木などです

 

(このへんでもだんだん、答えるのがきつく・・(^_^;))

 

お子様:木のどのへんを使って

お箸にしているんですか?

 

私:(@_@;)、、、そ、そうですね

同じ木でもやわらかい部分と

硬い部分があり、

模様や丈夫さも違うので・・・と

まごまごしていたら

 

横からササキさんが助け舟を

出してくれました

 

ササキさん:それぞれの木の中で

一番お箸に向いているところを

選びながら作っています(^_^)

 

私:そ、そういうことです(^_^;)

 

お子様:ありがとうございました(^_^)

 

専門店のスタッフとしての試金石?

ともいうべき質疑応答を終え

 

ほっとしていると

 

お母様:「記念に写真を撮っていただいていいですか?」

 

私:「はい、大丈夫ですよ」

 

ハイチーズとして写真に納まった私の笑顔は

きっとぎこちなかったに違いありません(>_<)

 

春の風のようにさわやかな

それでいて今までのお客様の中でも

一番手ごわい「小さな強敵」でした(^_^)

 

この日、お店が終わって家に帰ってから

お箸と木の勉強をこっそりまた始めました(^_^;)