2009.11.07 店頭こぼれ話

空よりも広く海よりも深く

当店にご来店いただくお客様は

「贈答」でお求めの方が多いです

(マイ箸ブームはあまりまだ実感できません(^_^;))

 

その中でも多いのが「結婚祝い」です

「結婚祝い」の中で圧倒的に多いのが

 

ご友人の方が結婚される方への

プレゼントとして「名入れ箸」を贈る方です

 

そんな中で結婚されるお子様へ

親御さんから「結婚祝い」という形で

「名入れ箸」を贈られる場合もございます

 

普段はそれほど意識していなかったのですが

実はそんな親御さんのお子様への

「深い愛」を感じる機会が先日ありましたので

そのエピソードを・・・

 

娘の結婚祝いにお箸をプレゼントしようと思うのですけど

どんなお箸が良いでしょうか?」

 

ある日、来店された女性のお客様から相談を受けました

予算などをお聞きした上で、

よく出ている商品をご案内させていただきました

 

しばらくして、お客様は螺鈿の夫婦箸

男性用の和紙巻きのお箸
3膳をレジに持ってこられました

 

「ご結婚祝い」とお聞きしていたこともあり、私は

2膳が贈り物で1膳はご自宅用に購入されるのかと

思っていましたので

 

内心「?」と思いながらも

「お箸に入れるお名前をお伺いできますか?」

とお聞きすると

 

お客様はメモ紙を私に渡してきまして

そのメモ書きには娘さんとその結婚される方と思われる

男性の方お二人のお名前が書かれていました

 

「こちらの1膳はどのようにお名前をお入れいたしますか?」

と私がお聞きすると

 

お客様は少しはにかみながら、それでいてどこか

幸せいっぱいの笑みを浮かべて

 

お話してくださいました

 

「こちらの夫婦箸は」娘への「結婚祝い」として贈るんです

あとの一膳は、私に一人「息子」が増えることになるので


 

私の家にいつきても家族として迎えられるように

お箸も用意しておこうと思っているんです(^_^)」

 

それなので同じ名前で2膳彫ってくださいますか?

 

私は感慨深い思いを抱きました。

 

親は自分をこの世に生み出してくれた

大切で唯一無二の存在であることは

自分の中でも分かっているつもりですが

 

あまりにも身近な存在過ぎて

その偉大さやありがたみは

なかなか感じることが出来ずに

育ってきてしまうような気がします

 

「自分が親になって初めて親の大切さや偉大さがわかる」

といいますが、

自分が子供を愛する気持ちは理解できるようになりましたが

 

子供の前で恩着せがましく

愛情を注いだり示したりする親は少ないので

 

なかなか自分の親が

自分に対してどれだけ深くの愛情を持って

接してくれているのか気づきにくいものです

 

今日まで自分もそんな一人だったのですが

お客様を通じて

 

自分の親もこんな風に

深い愛情を持って接してくれていたのかな

と思えるような気持ちになりました

 

自分がとびきりの愛情を注いで育てた娘さんが

結婚をする。

 

自分の元から離れてしまって寂しいという気持ちが

先に出てしまいそうですが

 

娘さんが選んだ相手を認め、

自分の子供として、家族として

迎え入れられる心の広さと、大きさ

 

そんな親の

「空よりも広く、そして海よりも深い愛」

その心の懐の深さを

お客様を通して垣間見たような気がしました