2009.08.01 お箸について

やめるの?

割り箸、プラスティックのお箸、塗り箸、漆仕上げのお箸
どのお箸が一番長く使えると思いますか?

みなさんがお使いのお箸は痛んでいませんか?

 

お箸の種類だけでなく使い方や手入れのしかたによって
使える長さは変わってきますよね

 

大事に使っていても痛んできてしまいますよね
「大切な人からのプレゼントだったから大切に使っていたのに・・・」
そう思われている方も多いのではないでしょうか?

 

そんなみなさんに朗報です

 

「たった一膳で一生長持ちするお箸があるんです」

 

え?そんなお箸あるの?

 

目を丸くされた方の顔がいっぱい
見えてきそうな気がします

 

またいろいろなお箸やさんや職人さんから
お叱りを受けそうな。。。ちょっと怖い気もしますが

 

お教えします。

 

あるんです。
・・・確かに
  あるんです

 

一膳でずっと一生使えるかもしれないお箸が。

 

でも使っているうちに痛んできます。もちろんですが・・

 

当店のお箸は天然木を使い天然素材のみで仕上げられた

どちらかというと「痛みやすい」お箸かも知れません

 

「口に入れても安全」ということを第一に考えて
お客様にお勧めしているので・・・

 

いいんです。痛んでも。それは天然素材の証です。

 

そして痛んだおはしから当店の「再生」が始まります

 

お箸は1日3回の食事のたびに使うので
頂いたものであっても自分で買ったものであっても

その食事の間、ずっと使われている方と共にいます

 

知らず知らずのうちにいくつもの「思い出」や
「大切な思い」もお箸にすり込まれて行くと思います

 

当店は漆がはげたおはしにまた漆を塗ることにより
お箸を「再生」しています。

 

環境破壊が危惧される中、「リサイクル」の精神を
お店としても心がけているのはもちろんですが

 

お箸を通してお客様の大切な思い出がいつまでも色あせないように
そのお手伝いをさせていただいていると思っています

 

塗り直しが
終わったお箸をお客様にお渡しするとき
必ずお客様のとびきりの「笑顔」を見ることができます

 

まるで入院していた大切な人が再び家に戻ってきてくれた時のように・・・

 

ブログをはじめるにあたり、タイトルをつけようと思い考えていました

そしていつも私を含めスタッフ全員が心がけているお箸を通しての
人と人との心の「橋(箸)渡し」の気持ちを

造語でつくってみました

 

「一生一膳」

 

このタイトルが思いついたとき、たまたま隣で家族が聞いていて

 

「お店やめるの?」

 

と心配そうに聞いてきました

 

確かに一膳のお箸をお客様に売ってそのおはしが一生使えたら
次のお箸は売れないかもしれません

 

それは商売としてみたら儲からないかもしれませんが

儲かりたいと思って何か商売をするなら

最初からお箸やなんてやってません

 

お客様の笑顔とその笑顔をつないで行くためのお手伝いを
することができて、それでほんの少しですが
お金がいただけてちゃんと生活ができています

こんな幸せな「仕事」はなかなかありません

 

「一生一膳」

 

これからもいろいろな笑顔に携われます様に・・・

 

私の柄にもなくきれいにまとめてしまった気がしますが・・・

 

気持ちではいつもそう思っていたいです

 

次回はお店でのエピソードを書きたいと思います。

それではまた・・・